5.裏社会編[86話~110話]

5.裏社会編[86話~110話]

105話「甘い沈黙」

次の日、恵美に連絡した。「どうしたの?」気怠い声だった。「寝てた?ちょっと月下美人のことで話があるんだけど」「わかった。待ってるわ」恵美のマンションに向かった。ドアを開けると、いつもの甘い香りがした。リビングに行くとカーテンは閉じられたまま...
5.裏社会編[86話~110話]

104話「広がる準備」

翌日、弘から連絡が入った。店の営業時間前の早い時間だった。「兄貴、警察署行ってきたっす」少しだけ息が上がっているように聞こえた。「どうだった?」「江崎さんが言ってた通りです。来年から届出制になるみたいっす」弘は確信を得た言い方だった。「生活...
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103話「変わる流れ」

小川健太に金を回してから、数日が経った。エンジェルタッチには、約束通り金が運ばれてきていた。流れは順調だった。少なくとも、表向きは——その日の夜、私は藤乃屋に顔を出した。手には、近くで買ったいつもの大判焼きを持っていた。玄関の扉を開けると、...
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102話「繋がる流れ」

奈緒と会ってから、数日が経った。あの日のことを思い返さないわけではなかったが、意識して考えることもなかった。何かが変わったのは分かっていたが、それを確かめるつもりもなかった。いつも通りの時間を過ごし、いつも通りに仕事をこなしていた。それでい...
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101話「消えない気持ち」

店に向かう車の中で、奈緒はいつもより静かだった。助手席に座り、窓の外をぼんやりと眺めている。「どうした?」そう声をかけると、奈緒は少し遅れてこちらを見た。「いえ……ちょっと緊張してるだけです」そう言って、小さく笑った。その表情は、どこかぎこ...