3.拘置所編

3.拘置所編

38話「色褪せていた景色」

裁判所へ向かう車中で、慣れ親しんだ街並みも今日は違って見えた。いつもと何ら変わらないはずなのに、しばらく見られないと思っているからなのか、色褪せたように感じる。裁判所に着き、長い廊下を法廷へと進む。刑務官の靴のコツコツという音と、履き慣れた...
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37話「ゼリーの覚悟…行ってきます」

求刑が告げられた公判の翌日も、いつもと変わらない一日が始まった。でも昨日までとは、自分の中で何かが違っていた。四か月程呼ばれた「25番」。また新しい番号で呼ばれるのか、それとも名前で呼ばれる世界に戻れるのか。食事をしながら、そんなことを考え...
3.拘置所編

36話「三年」

運動の日に外に出ると、微かだが子供の頃に感じた春の匂いがした。寒かった拘置所生活も峠を越え、幾分か過ごしやすくなってきていた。今日はいよいよ論告求刑の日だ。 覚悟をしているつもりでいたが、どこか期待している自分もいた。初犯なら執行猶予はまず...
3.拘置所編

35話「小さな見栄と輝く笑顔」

第四回目の公判も終わり、後は求刑と判決を残すところあと二回だ。留置場から拘置所の拘禁生活も五ヶ月が過ぎた。暴力団の人は見栄っ張りが多い気がする。というかほぼ全員だ。普通の人があまり拘らないようなことに異常にこだわる。例えば石鹸箱やタオルや筆...
3.拘置所編

34話「不安を抱えたままの朝」

その朝も、いつもの清々しいクラシックの音楽で目が覚めた。この音楽はいつも、この場所には似つかわしくないと思っていたが、昨日聞いた分類の話が頭から離れない今日は、どこか恨めしく感じられた。今日は第四回目の公判日だ。いつものように手錠をかけられ...
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