5.裏社会編[111話~135話]

135話「並ぶ景色」

ドアの鍵を開けると、軽い金属音が静かに響いた。「ここだよ」そう言って扉を開ける。美緒は一歩だけ間を置いてから、ゆっくりと中に入った。昼の光がそのまま差し込む室内を、静かに見渡している。何もない空間。けれど、その視線はどこか丁寧だった。リビン...
5.裏社会編[111話~135話]

134話「似合う場所」

昼過ぎの光が、カーテンのない窓からそのまま差し込んでいる。何もない部屋は、思っていたよりも広く見えた。ゆっくりと中に入り、ひと通り見て回る。リビングに立ち止まり、窓の外に目を向けた。窓からは公園のイチョウ並木が見え、黄色に色づいた葉が陽の光...
5.裏社会編[111話~135話]

133話「やさしい迷いの中で」

朝、美緒の部屋で目を覚ました。キッチンのほうから、水の音が聞こえてくる。しばらくそのまま天井を見てから、手元の携帯に目を落とした。弘からメールが届いている。急ぎではないが、話があるとのことだった。「分かった、後で連絡する」短く返して、携帯を...
5.裏社会編[111話~135話]

132話「縮まる距離」

あのあとも、気づけばしばらく四人で話をしていた。特別な話をしたわけじゃない。それでも、こういう時間があるだけで、少しずつ距離は縮まっていく。食事がひと段落して、自然と片付けが始まる。「里奈さん、それ取ってもらっていいですか」「はーい」と返し...
5.裏社会編[111話~135話]

131話「この時間に任せて」

一階から、賑やかな声と鉄板の焼ける音が上がってくる。「ちょっと里奈、それまだ早いって!」「大丈夫だって。レアくらいが美味しいんだから」里奈ちゃんと早苗のやり取りに、思わず小さく笑った。二階の廊下にまで、肉の焼ける匂いが上がってきている。しば...
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