2026-05

5.再出発編[111話~135話]

113話「動き出す準備」

翌日、私は朝から事務所で机に向かっていた。届出に必要なものを調べるため、ノートに思いつく限りの項目を書き出していく。だが、調べれば調べるほど曖昧な部分が増えていった。「……やっぱり、直接聞いたほうが早いか」小さく呟き、ペンを置く。警察署に行...
5.再出発編[111話~135話]

112話「決断」

美緒の部屋を出たあとも、指先に残る温もりが消えなかった。エレベーターに乗り込み、ゆっくりと閉まっていく扉をぼんやりと眺める。さっきまでの甘い空気が、まだ身体に残っている気がした。ポケットの中で携帯が鳴った。画面を見ると、弘からだった。「もし...
5.再出発編[111話~135話]

111話「花水木」

美緒に一時間くらいで着くと連絡を入れ、マンションに向かって車を走らせていた。青空が広がり、いわし雲が浮かんでいる。空気が澄んで気持ちがよく、暑さが苦手な私にとっては過ごしやすい季節になってきた。車から降りてマンションを見上げると、美緒がベラ...
5.再出発編[86話~110話]

110話「白い香り」

マンションのドアを開けると、早苗が玄関まで走ってきた。「おかえりー!ねぇ、ちょっと来て」そう言って、私の袖を軽く引く。「どうした?」靴を脱ぐ間もなく、そのままリビングへ引っ張られた。ソファーに座ると、早苗もすぐ隣に腰を下ろす。テーブルの上に...
5.再出発編[86話~110話]

109話「知ってしまった理由」

美緒のマンションを出ると、まだ暑さが残る中にも、少しずつ涼しさや秋の気配が感じられた。私は車に乗り込み、携帯を取り出してエンジェルタッチの藤本に連絡を入れた。今から店に行くことを伝える。エンジェルタッチに話を通しておく必要があった。集金は、...