2026-05

5.再出発編[86話~110話]

103話「変わる流れ」

小川健太に金を回してから、数日が経った。エンジェルタッチには、約束通り金が運ばれてきていた。流れは順調だった。少なくとも、表向きは——その日の夜、私は藤乃屋に顔を出した。手には、近くで買ったいつもの大判焼きを持っていた。玄関の扉を開けると、...
5.再出発編[86話~110話]

102話「繋がる流れ」

奈緒と会ってから、数日が経った。あの日のことを思い返さないわけではなかったが、意識して考えることもなかった。何かが変わったのは分かっていたが、それを確かめるつもりもなかった。いつも通りの時間を過ごし、いつも通りに仕事をこなしていた。それでい...
5.再出発編[86話~110話]

101話「消えない気持ち」

店に向かう車の中で、奈緒はいつもより静かだった。助手席に座り、窓の外をぼんやりと眺めている。「どうした?」そう声をかけると、奈緒は少し遅れてこちらを見た。「いえ……ちょっと緊張してるだけです」そう言って、小さく笑った。その表情は、どこかぎこ...
5.再出発編[86話~110話]

100話「広がる前兆」

エンジェルタッチに連絡を入れたのは、昼過ぎだった。奈緒から聞いていた話と、弘からの補足を頭の中で整理しながら、電話口の相手と言葉を交わした。先方は妙に話が早く、できれば今日にでも会いたいと言ってきた。急ぐ理由は、金利の支払い日が迫っているか...
5.再出発編[86話~110話]

99話「静かな転機」

ジルクールを出ると、空はうっすらと白み始めていた。弘と別れ車に乗り込み、さっきの話を思い返していた。車で一時間離れた街の箱ヘル。日掛のやり方では無理がある。相手は十一や月ニだ。下げれば間違いなく飛びついてくるのは分かっている。しかし、こっち...