5.裏社会編[136話~160話]

5.裏社会編[136話~160話]

139話「受け取ったもの」

恵美に連絡を入れると、自宅にいるとのことだった。月に一度の売上報告に行くため、バッグに売上と書類を詰め、恵美のマンションへ向かった。玄関のドアを開けると、男物の革靴が目に入った。リビングの方から、恵美と男の話し声が聞こえる。声をかけるか一瞬...
5.裏社会編[136話~160話]

138話「消えない光」

夜は、思っていたより静かだった。部屋の明かりを少し落とすと、昼間とはまるで違う空間に感じられる。ソファに座りながら、何気なく窓の外に目をやる。暗くなった公園は、輪郭だけを残して静かに広がっていた。その中に、ひとつだけ浮かぶ光があった。「……...
5.裏社会編[136話~160話]

137話「慣れていいのか」

段ボールを一つ、部屋の隅に寄せる。それで最後だった。一度だけ手を止め、部屋を見渡す。「これで全部かな」振り返ると、美緒が小さく頷いた。「うん、多分」少し前まで何もなかった空間に、少しずつ物が増えている。ソファ、ローテーブル、カーテン。そして...
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136話「入り込む風」

ドアの外に出ると、さっきまでの静けさが少しだけ遠のいた気がした。鍵をかける音が、やけに現実的に響く。隣を見ると、美緒が同じように扉の方を見ていた。「行こうか」そう言うと、小さく頷いた。並んで歩き出す。さっきまで同じ景色を見ていた余韻が、まだ...
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