しばらく美緒とマンションでくつろいでいた。
テレビを見ながら話したり。コーヒーを飲んだり。
気付けば、外はすっかり暗くなっていた。
私は時計を見る。
そろそろだな、そう思った時。
携帯が鳴り、画面を見るとリトだった。
「もしもし」
「もうすぐ仕事終わるヨ。迎え来れる?」
「うん、今から行く」
電話を切る。
「リト?」
美緒が聞いた。
「うん、終わったみたいだ」
そう言うと、美緒が立ち上がった。
「行こっか」
私たちはマンションを出て車を走らせる。
リトと合流すると、そのまま◯◯市へ向かった。
最初は見慣れた景色だった。
だけど、走るほどに街灯は減り。
道路沿いの店も少なくなっていく。
私は窓の外を見る。
「思ったより遠いな」
そう呟くと。
助手席のリトが笑った。
「もう少し行くと着くヨ」
さらに車を走らせる。
気付けば、いつもより静かな景色に変わっていた。
街へ着く。
飲屋街と言っても、私の住む街よりずっと小さい。
ビルも数えるほどしかない。
その中にある一つのビル。
一階が店。
二階もテナント。
三階から上は住居になっていた。
「ここだヨ」
リトが言う。
車を降り私は周りを見る。
こんな場所まで来るようになったんだな。
少し前なら想像もしなかった。
私たちは階段を上がった。
リトが扉を開ける。
「お邪魔するヨー」
すると。
部屋の中からすぐに声が返ってきた。
「リトー!」
「待ってたヨ!」
中へ入ると、部屋には数人のタレントたちがいた。
みんな自然にリトへ話しかけている。
次から次へと声を掛けられるリトを見る。
本当に顔が広いんだなと思った。
リトが私たちを見る。
「紹介するネ」
そう言って。
私と美緒を紹介した。
すると。
「知ってるヨ!」
「MAHALの友達から聞いてるヨ!」
「アクセサリーの人でしょ?」
思っていたより反応が大きいので、私は少し驚く。
美緒は笑顔を見せた。
「こんばんは」
英語も交えながら話し始める。
すぐに空気へ馴染んでいた。
美緒がアクセサリーを広げると、タレントたちの目が変わった。
「かわいいネ!」
「これ見て!」
「これいくら?」
「ローン?キャッシュ?」
次々に声が飛ぶ。
美緒は笑顔で答えていた。
私はその姿を見る。
販売を重ねる度に。
美緒は、どんどんさまになってきていた。
そんな姿を見ていると。
少し嬉しかった。

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