198話「帰り道の静けさ」

空港を出る頃には昼を少し過ぎていた。

帰国するタレントたちを見送り。

集金も終わり。

慌ただしかった時間が、ようやく終わる。

駐車場へ向かいながら、リトが大きく伸びをした。

「オワッタネー!」

「疲れたな」

私が笑う。

美緒も小さく笑った。

「お腹空いた」

「ゴハン行コ!」

そのまま三人で近くの店へ入った。

昼時を少し過ぎていたせいか、店内は落ち着いている。

席へ座ると、リトがすぐ話し始めた。

「ナオト」

「ん?」

「MAHALグループの別の街のタレントから連絡あったヨ」

私は顔を上げる。

「別の街?」

「ウン。別の街に二つ店があるヨ。そこのタレントもアクセサリー見たいって」

私は少し驚いた。

「別の街ってどこ?」

「◯◯と◯◯シティだヨ。タレントたちの噂は早いからネ」

リトが笑う。

「それじゃ夜中だったら、車で三十分くらいだな」

料理を食べながら話は続いた。

「いつ行くの?」

美緒が聞く。

「ウーンそうだネ。私がタレントに電話して、いつがいいか聞いてみるヨ」

リトが少し考えながら言う。

「また三人で行くネ」

「そうだな」

私は頷いた。

「まず予定聞いてからだな」

「ウン!」

リトが嬉しそうに笑った。

食事を終えて、車へ戻る。

行きよりも少し静かな車内。

疲れも出てきたのか、リトも珍しく静かだった。

マンションへ着くと、リトは車を降りながら陽気な笑顔で言う。

「今日はアリガト!」

「うん、連絡待ってるから」

「ミオも!」

「またね」

リトは手を振りながらマンションへ入っていった。

車の中は二人だけになり、少し静かだった。

「帰ろっか」

美緒が言う。

美緒のマンションへ戻り、私はソファへ腰を下ろす。

すると美緒も隣へ座った。

ようやく終わった。

そんな気持ちだった。

自然に美緒が肩へ寄りかかってくる。

「疲れた?」

「少し」

私は笑う。

「美緒も疲れただろ」

「うん」

少し間が空く。

「でも楽しかった」

美緒が小さく言った。

私は隣を見る。

「そうか?」

「うん」

美緒が笑う。

「今日は頑張ってたな」

「え?」

「色々」

私は少し笑った。

「お土産まで準備してたし」

美緒は少し照れた顔をする。

「喜んでくれて良かった」

「うん、すごく喜んでたな」

美緒はそっと私の腕を抱いた。

「……ありがと」

小さな声だった。

美緒が私を見る。

「ねぇ」

「ん?」

「今日は、もうゆっくりしよ?」

私は頷く。

美緒は少し笑った。

それから。

ゆっくり私へ体を寄せてきた。

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