2.留置所編

6話「慣れていく自分」

留置場での生活にも、少しずつ慣れていく自分がいた。それが良いことなのかどうかは、その時はまだ分からなかった。朝は、起床の合図が鳴る前に目が覚めるようになっていた。合図とともに布団をたたみ、そのまま掃除に取りかかる。初めは強い抵抗があったトイ...
2.留置所編

5話「決められた時間の中で」

留置場での生活は、一言でいうと、自由とは全く真逆で、ルールと時間に縛られた生活だった。朝7時に起床し、掃除をする。朝食をとり、短い運動の時間があり、その後は取調べ。昼食を挟んで、また取調べが続く。夕食のあとも、日によっては取調べがあり、最後...
2.留置所編

4話「自由が奪われた日のこと」

逮捕された時、驚くほど自分は落ち着いていた。「ああ、やはり来るべき時が来たか」そんな感覚だったと思う。ただ、初めてかけられた手錠の感触と重さは、今でもはっきりと覚えている。逮捕されたのは夜中の三時頃だった。留置場に入れられた時、部屋は真っ暗...
1.自由に生きていた頃

3話「自由と呼んでいた夜」

夜の世界で働くようになってから昼とは違う空気の中にいる感覚があった。開放感があって、その頃の自分には、それが「自由」に見えていた。ラウンジではチーフとして働いていた。店のママは経営者で、仕事上の関係だったはずが、気づけば男女の関係になってい...
1.自由に生きていた頃

2話「どこにも腰を下ろさなかった頃」

高校を中退して、料理の世界に入った。見習いとして働き始めたその頃の自分は、働いているというだけで、もう大人になった気でいた。仕事は真面目にやっているつもりだった。その一方で同棲している女性がいながら、他にも何人かの女性と関係を持っていた。当...