マンゴージュースを飲みながら、私たちは今日の販売の話をしていた。
「今日も反応良かったね」
美緒が嬉しそうに言う。
「ああ。みんな結構買ってくれたしな」
リトも満足そうに頷いた。
その時、店の扉が開く。
数人の女性が賑やかに入ってきた。
私は何気なく視線を向ける。
すると。
「あっ!」
一人の女性が声を上げた。
「ミオ! ナオト!」
私も思わず笑う。
「メイ」
入ってきたのはMAHALのタレントたちだった。
三人ともアクセサリーを買ってくれた事があり、私も美緒も顔見知りだった。
「久しぶりネ!」
「元気だった?」
メイたちは笑顔で近付いてくる。
軽く挨拶を交わしたあと。
彼女たちは私たちの隣のテーブルへ座った。
注文を済ませると。
自然と会話が始まる。
「今日ね、MAHALグループの◯◯市のお店に販売行ってきたんだよ」
美緒が言った。
するとメイが頷く。
「知ってるヨ。さっき電話あったネ」
「えっ、本当?」
「うん。アクセサリーいっぱい買ったって聞いたヨ」
美緒が嬉しそうに笑う。
それからアクセサリーの話になった。
日本での流行。
どんなデザインが人気なのか。
メンズ物もお土産用に仕入れてほしい。
話は次々と広がっていく。
気付けば。
美緒はメイたちのテーブルへ移動していた。
四人で楽しそうに話している。
「このピアス可愛いネ」
タレントがメイのピアスを指差しながら言う。
「ありがとう。でもそれ人気だからすぐ売り切れるんだよ」
「エー!」
笑い声が響く。
その後は。
「フィリピン料理どうだった?」
という話になった。
「美味しかったよ」
美緒が即答する。
「特にマンゴージュース」
「アハハ! あれ美味しいよネ! グリーンマンゴーのシェイクも美味しいヨ」
メイたちも盛り上がっていた。
私はその様子を眺める。
本当に仲良くなったなと思う。
最初の頃、美緒はもっと控えめな感じだった。
だけど今は違う。
自分から輪の中へ入り、自然に会話をしている。
それが何だか嬉しかった。
私はマンゴージュースを一口飲む。
そして、ふと思った。
そういえば。
彼女たちはどういう仕組みで日本へ来ているのだろう。
タレント。
という言葉はよく聞く。
だけど詳しい事は知らない。
私は隣のリトを見る。
「なぁリト」
「ン?」
「フィリピンのタレントってさ。どういう仕組みで日本に来てるんだ?」
リトは少し驚いた顔をした。
「急にどうしたノ?」
「いや、みんなと知り合って結構経つけど、そういう事あんまり知らないなと思って」
リトは小さく頷いた。
「なるほどネ」
そして、リトはグラスを置く。
「昔と今で少し違うけどネ」
そう言って話し始めようとする。
すると、ふと笑った。
「でもナオト」
「ん?」
「どうして急に気になったノ?」

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