目を覚ますと、隣には美緒がいた。
美緒は私の方に顔を向けて眠り、手を私の腕に軽く絡ませていた。
昨夜あれだけくっついて寝たのに、朝になっても変わらなかった。
静かに寝息をたてている寝顔をぼんやり見ていると。
美緒が静かに目を開けた。
少し笑う。
「……おはよ」
「おはよ」
美緒が腕を抱き寄せる。
「起きる?」
「……もう少し」
そう言うと。
美緒が少し嬉しそうに笑った。
しばらく二人でベッドに横になり、他愛ない話をする。
眠いとか、今日は何しようとか。
そんな話。
少しして。
美緒がゆっくり起き上がった。
「コーヒー淹れてくるね」
「んー」
私はそのままベッドへ身体を沈める。
カーテンの隙間から差し込む優しい光。
柔らかい布団。
ベッドに残る美緒の温もり。
まだ少し眠い。
気付くと。
また少しまどろんでいた。
「コーヒー入ったよ」
声が聞こえ目を開けると。
美緒がベッドへ腰掛けていた。
「起きて」
そう言いながら。
優しく髪を整えてくる。
「また寝てしまってたな」
私が笑う。
「うん」
美緒は私の頬を優しく撫でながら笑った。
身体を起こしリビングへ向かう。
ソファーに並んで座り、二人でコーヒーを飲む。
静かな朝だった。
他愛ない話をする。
昨日の話。
今日の話。
そんな事を話しながら、コーヒーを飲んでいた。
すると。
携帯が鳴る。
見ると弘からメールだった。
『お疲れです。時間あるときに連絡ください』
そう書かれていた。
私はすぐ電話を掛けた。
「兄貴、お疲れっす」
弘の声。
「どうした?」
少し間が空く。
「昨日ちょっと変な話聞いたんすよ」
「変な話?」
「この業界で優良店会ってのが出来てるらしいんすよ」
私は少し考える。
「優良店会?」
「はい。俺も詳しくは知らないんすけど」
弘が続ける。
「月々会費取って、月一で加盟店の責任者が集まるらしいんすよ」
「集まって何するんだ?」
「そこまでは……まだ分からないっす」
私は少し考える。
優良店会。
名前だけなら別におかしくはない。
「その優良店会」
私は言う。
「もう少し詳しく調べられるか?」
「分かりました。ちょっと調べてみるっす」
電話が終わり、携帯を置く。
美緒がコーヒーカップを持ちながらこちらを見る。
「何かあった?」
「いや」
コーヒーを一口飲む。
優良店会。
名前だけ聞けば。
別に珍しい話でもない。
ただ。
少しだけ気になった。

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