弘と別れた私は車に乗り、美緒にメールした。
『面接は終わった?』
メールを送ると、すぐに返信が届く。
『うん。終わって、さっきマンションに戻ってきたよ(^_^*)』
私は微笑みながら画面を見つめた。
『今から帰る』
そう返信すると携帯をしまい、車を走らせた。
美緒のマンションへ着き、部屋のドアを開ける。
「おかえり」
笑顔の美緒が出迎えてくれた。
「ただいま」
私は靴を脱ぎ、リビングへ向かう。
しばらくすると、美緒がコーヒーを二つ持ってきた。
二人でソファーに腰を下ろす。
「今日の面接どうだった?」
私が尋ねると、美緒は嬉しそうに微笑んだ。
「すごくいい子だったよ。明日から出勤してもらうことになったの」
「そうか。それは良かったな」
「うん!」
美緒は本当に嬉しそうだった。
私はコーヒーを一口飲み、カップをテーブルへ置く。
「さっき弘と話してきたんだ」
「うん」
「アクセサリー販売を一緒にやりたいって」
美緒は迷うことなく頷いた。
「うん。いいと思う」
あまりにも即答だったので、私は少し驚いた。
「そんなに向いてると思うか?」
「思うよ」
また即答だった。
「なんでそう思う?」
美緒は少しだけ視線を上に向け、考えるように微笑んだ。
「弘さんって営業向きっていうか……初対面の人ともすぐ仲良くなれるでしょ」
私は黙って耳を傾けた。
「人とコミュニケーションを取るのがすごく上手なんだよね」
私はゆっくりと頷いた。
美緒は指を折りながら話し始めた。
「私と直人さんが出会って、LINK CORPORATIONの仕事が始まったのも弘さんがきっかけだったでしょ?」
「ああ」
「大介さんや美咲ちゃんを紹介してくれたのも弘さんだった。」
私は思い返すように小さく頷いた。
「それにアクセサリー販売だって、弘さんがメイと仲良くなったことが始まりだったよね」
そこまで聞いて私は腕を組んだ。
言われてみれば、その通りだった。
私の周りに広がった縁は、気付けば弘が繋いでくれたものばかりだった。
「考えてみれば……そうだよな」
私が呟くと、美緒は嬉しそうに笑った。
「でしょ?」
そして、優しく続ける。
「だから弘さんがアクセサリー販売に加わるのは正解だと思う」
私は静かに頷いた。
弘は、自分では気付いていないのかもしれない。
けれど、人と人を繋ぐことにかけては、誰にも負けない才能を持っていた。
だから私は、あいつを右腕だと思えたのかもしれない。
そう思うと、自然と笑みがこぼれた。

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