2026-06

5.再出発編[111話~135話]

128話「新しい流れ」

茉莉花の事務所に戻ると、静かだった。リビングに入ると、もうすっかりと事務所としての雰囲気になっていた。二十畳以上あるリビングの右側には、大きなテレビと黒いソファー、テーブル。左側にはベージュのゆったりとしたソファーにローテーブル、本棚や雑誌...
5.再出発編[111話~135話]

127話「離れない距離」

目が覚めたのは、頬に触れる柔らかい感触だった。美緒が、指先で私の顔をゆっくりと撫でている。その手は離れることなく、何かを確かめるように、何度も同じところをなぞっていた。目を開けると、すぐ近くに美緒の顔があった。優しく微笑みながら、まっすぐに...
5.再出発編[111話~135話]

126話「わがまま」

マンションの前に車を止め、エンジンを切ると、一気に静けさが戻ってきた。さっきまでいた茉莉花の事務所の空気とは違う、どこか慣れた静けさだった。エレベーターを出て、美緒の部屋の前に立つ。インターホンを押すと、少ししてから扉が開いた。「お疲れさま...
5.再出発編[111話~135話]

125話「ここにあるもの」

玄関のドアを開けると、部屋の中から声が聞こえた。まだ時間は早いはずだったが、早苗と里奈ちゃんの声が重なっている。「それ、こっちに置いといて」「うん、ここでいいんだよね?」中に入ると、テーブルの上には書類と生活用品が混ざって置かれていた。引っ...
5.再出発編[111話~135話]

124話「動かしはじめる」

目が覚めると、部屋の中は静かだった。昨夜のことを思い出す。料金、やり方、店の形。三人で決めたことは、もう頭の中でまとまっていた。あとは動かすだけだった。携帯を手に取り、時間を確認する。届出制が始まるまで、まだ少し時間はある。余裕とは言えない...