2026-03

4.社会復帰編

47話「速達の知らせ」

ある日、陣さんから速達で手紙が届いた。速達で届いたことなどなかったので、何かあったのかと急いで封を切った。いつもの陣さんらしい冗談から入る内容だった。読み進めると「はっ?結婚?」思わず口に出た。キッチンにいた早苗に聞こえたらしく「結婚!?」...
4.社会復帰編

46話「再会の約束」

早苗を起こさないように、そっとベッドから出る。リビングのソファーに座り、コーヒーを飲みながら今日の予定を整理する。朝一で井原君の面会と石鹸箱の差し入れ。佐藤さんの件で、夜の仕事で知り合った者と二人会う予定だ。詳しいことは会ったときに話すと伝...
4.社会復帰編

45話「春の花びらと石鹸箱」

桜の花も満開に咲き、季節はすっかり春だ。淡いピンクの花びらがひらひらと舞い、ほのかな香りが春風に乗って漂う。季節が変わるということは、陣さんや井原君が刑務所に移送されるのも近づいている。早苗は「何それ」とケラケラ笑った。石鹸箱の話をしたから...
4.社会復帰編

44話「焼肉と約束」

早苗に迎えに行くと連絡を入れ、店の近くで待っていた。佐藤さんから頼まれた件を考えていると、バックミラーの中で早苗がキョロキョロと私の車を探しているのが見えた。クラクションを鳴らすと気付き、小走りで駆けてくる。車に乗り込んできた瞬間、夜の世界...
4.社会復帰編

43話「名刺の代紋」

その初老の男性はカウンター席に座り、酒を飲み始めた。先輩が私のこれまでの経緯を話すと、初老の男性は声を出さず頷きながら聞いていた。話が終わると、私に手招きし、隣に座るよう椅子を軽く叩いた。挨拶して席に着くと、こちらに向き直り「大変だったね。...