2026-03

3.拘置所編

32話「小さな紙に託されたもの」

いつもと何も変わらない。ゆっくりと時間だけが流れていく部屋。ふと横を見ると、いつものように少し下を向いて座っている井原君がいる。何を考えているのかは分からない。表情も変わらない。けれどその横顔には、彼が生きてきた人生の重みのようなものが滲ん...