3.拘置所編

3.拘置所編

23話「独りの時間の使い方」

独居生活の中で、自分なりのリズムというか、過ごし方ができてきた。朝食後、運動の日は「鳥かご」の中で、腕立て伏せや腹筋運動、スクワットなどのストレッチをする。入浴の日は、身体が赤くなるまで浴槽につかり、しっかりと温まる。部屋に戻ると、自分の身...
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22話「鳥かごの中で歩き続けた日」

独居房に移って、初めての運動の日がやってきた。人とまったく会話をしていない日が続いていたから、誰か知っている顔がいるかもしれないと、少しだけ楽しみに房を出た。しかし、連れて行かれたのは、これまでの運動場とはまったく違う方向だった。着いた場所...
3.拘置所編

21話「静かすぎる部屋」

初めての独居生活が始まった。奥行きは畳三畳ほど。横幅は、両手を広げると壁に触れるくらいしかない。一番奥にはトイレの便器が据え付けられている。囲いはなく、ただ便器があるだけだった。和式なのか洋式なのかもよく分からない。和式便器に箱を被せただけ...
3.拘置所編

20話「突然の別れ」

正月も終わり、また、いつもと変わらない毎日を淡々と消化していく日々に戻った。その日は、突然やってきた。朝食を済ませ、いつものように、みんな所定の位置に座った時だった。ガチャガチャと施錠が解除され、ドアが開いた。「60番。出房! 荷物も全部出...
3.拘置所編

19話「忘れない正月」

元旦の朝も、いつもと変わりなく始まった。昨日の大晦日は、夕食の後にラジオから紅白歌合戦が流れ、カップ麺ではあったが年越し蕎麦まで振る舞われた。消灯の時間も紅白が終わる頃まで延長され、その間の私語も暗黙の了解で、小声でなら黙認された。それだけ...