月曜日の朝を迎えた。
気持ちはどんよりと憂鬱だったが、外は憎たらしいほどの青空が広がり、太陽がやけに眩しかった。
土曜日の夜、取り調べはすでに終わっていた。それでも刑事が、「取り調べ」という建前で、久しぶりに留置場から出してくれた。
いつもの取調室だと思っていたが、連れて行かれたのは刑事部屋だった。温かい珈琲を淹れてくれ、チョコレートやお菓子まで出してくれた。
月曜日は移監だからな。
そんな言葉とともに、取り調べの時には見たことのない笑顔で、1時間ほど雑談をした。それは取り調べではなく、完全に気遣いだった。
留置場に戻される際、刑事はこう言った。
「執行猶予になるか実刑になるかは、裁判官が決めることだ。どっちに転んでも、腐らずに頑張れ」
私は深々と頭を下げ、「色々と迷惑をかけました。ありがとうございます」
そう言って、留置場に戻った。
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朝食を済ませると、すぐに移監の準備が始まった。
領置金の確認、荷物の整理。
すべてを終えると、1房ずつ順番に挨拶をして回った。
手錠をはめられ、留置場をあとにする。
三ヶ月以上過ごした場所。
毎日顔を合わせ、雑談を交わすほどになった職員たちとの別れに、
寂しさとも違う、言葉にしづらい感情が込み上げてきた。
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拘置所までの護送車には、いつも雑談をしていた職員もいた。
拘置所の駐車場に到着すると、その職員はポケットから煙草を取り出し、こう言った。
「ここから先は、もう煙草も吸えない。最後に吸っていけ」
そう言って火をつけてくれた。
煙草を吸いながら、さらに続けた。
「お前は初めてだから、よく分かってないかもしれんがな。
留置場と同じだと思うなよ。男の修行だと思って、頑張れ」
結局、煙草を三本も吸わせてくれた。
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拘置所の前に立った。
さあ、いよいよだ。
そう自分に言い聞かせ、気合いを入れ直す。
ここから先は、もう留置場ではない。


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