27話「再び、雑居へ」

ある日、朝食を済ませ、手紙を書こうと用意をしていると、

「おい。25番、移動だ。すぐに荷物をまとめろ」

と声をかけられた。

急いで荷物をまとめる。

施錠が解除され、ドアが開いたので廊下に出た。

次はどこへ行くのだろうか。

移動はいつも前ぶれもなく突然だ。

最近は、それにもあまり驚かなくなっていた。

「今日から雑居だ。一階まで降りろ」

その言葉を聞いた瞬間、思わず心が動いた。

雑居房に移動――。

もう雑居に戻ることはないと思っていたので、これは少し嬉しい驚きだった。

一階の雑居房エリアに着き、入れられた房は、以前と同じ四房だった。

まだ誰も移動してきておらず、部屋には私一人だけ。

陣さんや、お爺さんと過ごした部屋だ。

ほんの一ヶ月ほど前のことなのに、ずいぶん昔の出来事のように感じる。

お爺さんは、どこの刑務所に移監されたのだろうか。

あのささやかな忘年会のこと――

そんなことを思い出しながら、しばらく物想いに耽っていた。

そのとき、ガチャガチャと音を立てて施錠が解除され、ドアが開いた。

二人続けて入ってきた。

一人は無愛想に軽く会釈をして入ってきた。

誰が見ても分かる、いわゆる“ザ・ヤクザ”という雰囲気で、年齢は私と同じくらいに見えた。

もう一人は七十代くらいのお爺さんで、深々と頭を下げて

「宜しくお願いします」

と丁寧に挨拶をした。

私は

「こちらこそ、お願いします」

と頭を下げた。

もう一人の彼は、ちらりとお爺さんを見て頷いただけだった。

二人とも、私のような初犯ではなく、場慣れした“ベテラン”の匂いがした。

とりあえず三人とも所定の位置に座ったが、誰も口を開かなかった。

三人いるはずなのに、一人でいるような静けさと緊張感に包まれていた。

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