4.社会復帰編

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55話「賽は投げられた」

夜景を見た翌日、私の気持ちはもう昨日見た街の灯りのようにゆらゆらと揺れてはいなかった。どこか腹の奥に重いものが落ち着いたような、そんな静けさがあった。恵美さんに電話すると自宅に来るように言われた。恵美さんのマンションには付き合っていた頃、何...
4.社会復帰編

54話「夜景の裏側」

早苗に話さなければいけない。だが、どう説明すればいいのか考えあぐねていた。本当のことは言えない。そう考えていると、コンコンと窓ガラスを叩く音がした。「お待たせー!」早苗が乗り込んできた。今夜、話さなければならない。そう思ったが、部屋で面と向...
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53話「駆け引きはしない」

マスターは店を出るときも、軽く頭を下げるだけだった。仕事の内容が何なのか見当もつかない。だが、まともな仕事ではないだろうと思った。どこへ連れて行かれるのだろうか。恵美さんは黙ったままだったので、私も何も聞かず、あとについて行った。恵美さんは...
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52話「連れ出される夜」

マンションに帰りドアを開けると、カレーのいい匂いがした。「おかえりー」早苗がエプロン姿でキッチンから顔を出す。早苗のカレーは市販のルーを使わない本格的なものだ。「今日はカレーだよ。もうできるからね」料理している早苗を眺めながら、また恵美さん...
4.社会復帰編

51話「最後の面会」

井原君からの手紙を読み返す。朝の静まりかえった部屋に、コーヒーメーカーのコポコポという音だけが響いている。これが最後の面会になるのかと考えながら、拘置所へ出かける支度をする。拘置所に着き建物を眺めていると、ここで過ごした日々を思い出した。こ...