3.拘置所編

3.拘置所編

28話「新聞の音だけが響いていた」

緊張感と静けさの中、彼の新聞をめくるバサバサという音だけが部屋に響いていた。 どんな人なのだろうか。 誰も喋らず、沈黙が気まずくなり、私は彼に話しかけた。 「ちょっと聞いていいですか?」 彼は新聞を読むのをやめ、私...
3.拘置所編

27話「再び、雑居へ」

ある日、朝食を済ませ、手紙を書こうと用意をしていると、 「おい。25番、移動だ。すぐに荷物をまとめろ」 と声をかけられた。 急いで荷物をまとめる。 施錠が解除され、ドアが開いたので廊下に出た。 次はどこへ行く...
3.拘置所編

26話「地獄の沙汰も金次第」

拘置所では、土日祝日になると運動も入浴も面会も、手紙の発信さえもない。 房から外に出ることは、まずなかった。 雪がちらほら降っている日曜日。 陣さんが言っていた「地獄の沙汰も金次第」という言葉を、ぼんやりと考えていた。 ...
3.拘置所編

25話「期待しないという現実」

拘置所での生活の流れや規則も分かり、独居生活にもすっかり慣れてきた。 自分の公判も、第二回、第三回と進んでいた。 公判の前日には、必ず弁護士が接見に来る。 しかし、その接見は義務で来ているだけ、そんな印象を受けるものだっ...
3.拘置所編

24話「遠くから届いた手紙」

陣さんからの手紙が途絶え、心配ではあったが、どうすることもできず、時間だけが過ぎていった。 そんなある日の夕方、陣さんから手紙が届いた。 すぐに封書の裏を見て住所を確認すると、そこには遠く離れた地の住所が書かれていた。 ...
タイトルとURLをコピーしました