3.拘置所編

3.拘置所編

18話「巡る季節の中で」

忘年会が終わった翌日、拘置所はいつもと変わらない、寒々とした朝を迎えた。 それでも、昨日のことを思い出すと、人のあたたかさに触れたような気がした。 そのまま変わりない日々が続き、気づけば年の瀬も押し迫っていた。 やがて御...
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17話「ささやかな楽しみ」

あの出来事から、組員の人の励ましもあってか、お爺さんは覚悟を決めたようだった。 日が経つにつれ、少しずつ笑顔も戻ってきた。 顔つきも以前とは違い、どこかキリッとした、漢という表情に変わっていった。 お爺さんは控訴せず、懲...
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16話「天国から地獄」

同じ房で過ごす時間が増えると、自然と会話も増えていった。 お爺さんは六十代、組員の人は三十代と世代は違っていたが、偶然にも同じ街で生活していたことがあり、話はよく弾んだ。 特に組員の人とは、私と共通の知り合いがいたこともあり、...
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15話「塀の上をユラユラ歩く」

拘置所では、すべてが突然やってくる。いきなりガチャガチャと鍵が解除され、ドアが開き、「四房、運動! 全員出ろ!」という流れだ。 三人で急いで廊下に出て気をつけ。 担当さんの号令に従い、運動場まで進むというか、行進する。 ...
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14話「時計のない場所で」

ただひたすら座る。 楽なように思えるが、一日中座って過ごすというのは、なかなかの苦痛だった。 自由に動けないから、身体をあたためることも出来ない。 使い込まれ、少しささくれだった畳。その上に、座布団とは言えないような薄っ...
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