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4.社会復帰編

40話「夜の街と新しい日々」

久しぶりに夜の街並みを見た。 並んでいる車のヘッドライトやテールランプの光だけでも幻想的で、見入ってしまう。 ビルの灯りやネオンは感動ものだった。 街中は音や匂いで溢れかえっている。車のクラクションや人の笑い声。 ...
4.社会復帰編

39話「外に出た日」

拘置所の外に出た。 手錠も腰紐も刑務官もいない。 今までは外に出る時は最低でも二人は監視で付いていたが、今は一人だ。周りを見回しても誰もいない。 背後から呼び止める声も足音もない。 身体だけが軽くなったような妙な感...
3.拘置所編

38話「色褪せていた景色」

裁判所へ向かう車中で、慣れ親しんだ街並みも今日は違って見えた。 いつもと何ら変わらないはずなのに、しばらく見られないと思っているからなのか、色褪せたように感じる。 裁判所に着き、長い廊下を法廷へと進む。 刑務官の靴のコツ...
3.拘置所編

37話「ゼリーの覚悟…行ってきます」

求刑が告げられた公判の翌日も、いつもと変わらない一日が始まった。 でも昨日までとは、自分の中で何かが違っていた。 四か月程呼ばれた「25番」。 また新しい番号で呼ばれるのか、それとも名前で呼ばれる世界に戻れるのか。 ...
3.拘置所編

36話「三年」

運動の日に外に出ると、微かだが子供の頃に感じた春の匂いがした。寒かった拘置所生活も峠を越え、幾分か過ごしやすくなってきていた。 今日はいよいよ論告求刑の日だ。 覚悟をしているつもりでいたが、どこか期待している自分もいた。初犯...
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