2026-03

3.拘置所編

35話「小さな見栄と輝く笑顔」

第四回目の公判も終わり、後は求刑と判決を残すところあと二回だ。 留置場から拘置所の拘禁生活も五ヶ月が過ぎた。 暴力団の人は見栄っ張りが多い気がする。というかほぼ全員だ。 普通の人があまり拘らないようなことに異常にこだわる...
3.拘置所編

34話「不安を抱えたままの朝」

その朝も、いつもの清々しいクラシックの音楽で目が覚めた。 この音楽はいつも、この場所には似つかわしくないと思っていたが、昨日聞いた分類の話が頭から離れない今日は、どこか恨めしく感じられた。 今日は第四回目の公判日だ。 い...
3.拘置所編

33話「覚悟を決めなきゃいけない夜」

ある日の午後、また突然ガチャガチャと施錠が解除された。 「25番、弁護士接見」 面会室に入ると、くたびれたスーツを着た、いつもの弁護士が座っていた。 私が入っても視線は上げず、手帳をめくっている。 「こんにちは」と...
3.拘置所編

32話「小さな紙に託されたもの」

いつもと何も変わらない。 ゆっくりと時間だけが流れていく部屋。 ふと横を見ると、いつものように少し下を向いて座っている井原君がいる。 何を考えているのかは分からない。表情も変わらない。 けれどその横顔には、彼が生き...
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