2026-02

3.拘置所編

16話「天国から地獄」

同じ房で過ごす時間が増えると、自然と会話も増えていった。 お爺さんは六十代、組員の人は三十代と世代は違っていたが、偶然にも同じ街で生活していたことがあり、話はよく弾んだ。 特に組員の人とは、私と共通の知り合いがいたこともあり、...
3.拘置所編

15話「塀の上をユラユラ歩く」

拘置所では、すべてが突然やってくる。いきなりガチャガチャと鍵が解除され、ドアが開き、「四房、運動! 全員出ろ!」という流れだ。 三人で急いで廊下に出て気をつけ。 担当さんの号令に従い、運動場まで進むというか、行進する。 ...
3.拘置所編

14話「時計のない場所で」

ただひたすら座る。 楽なように思えるが、一日中座って過ごすというのは、なかなかの苦痛だった。 自由に動けないから、身体をあたためることも出来ない。 使い込まれ、少しささくれだった畳。その上に、座布団とは言えないような薄っ...
3.拘置所編

13話「合図を待つ時間」

寒さで目が覚めた。 昨日と同じ天井が視界に入る。 夢だったらよかったのに、と思う前に、ここが拘置所だという事実が先に身体に伝わってきた。 布団に入ったままぼーっとしていると、スピーカーから聞き覚えのあるクラシックの爽やか...
3.拘置所編

12話「一人ではなかった夜」

房に入った瞬間、目が合った。留置場で一緒に過ごした、あの人だった。 刑務官が施錠を済ませて立ち去ると、お互いに自然と笑顔がこぼれた。 自分が座る位置も、すでに決められていた。 急いで腰を下ろすと、小声でこう言われた。 ...
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