49話「再会の代償」

恵美さんだった。

私がBARに勤めていた頃に知り合った女性で、その当時、短い期間ではあるが付き合っていた。

二人目の男性は「えっ!知り合いなの?」と驚いている。

恵美さんは意味深に

「彼のことはよく知ってるわよ」

と私を見たまま言った。

「それじゃあ、俺は役目終わりだな」

そう言って立ち上がり、私の肩を叩くと

「今度、飯くらい奢れよ」と店を出て行った。

恵美さんは椅子に腰を下ろし、アイスティーを注文した。

三十半ば。クラブのママのような雰囲気で、どこか怪しく掴みどころのない人だ。

煙草を燻らせながら、

「馬鹿なことして、捕まっていたそうね。いつ帰ってきたの?」

そう聞かれ、私はある程度の事情を説明した。

「話はある程度聞いているわ。人を探してるんだってね。ここじゃあれだから場所を変えようか」

そう言って席を立った。

その店は飲み屋街の外れにある、静かで落ち着いたBARだった。

店内にはマスターしかいない。

カウンターに並んで座り、恵美さんは水割り、私は車なのでトニックウォーターを頼んだ。

恵美さんは煙草に火をつけ、ゆっくり水割りを二、三口飲むと、前を見たまま言った。

「貴方の探している人、知ってるわよ。教えてあげてもいいわ」

「えっ。本当ですか?」

そう返すと、私をじっと見て、

「その代わりじゃないけど、お願いがあるの」

聞けば、手伝ってほしいことがあるという話だった。

次の店に移動しようと言われたが、このあと用事があると伝え、別れることにした。

「じゃあ、明日連絡して」

そう言われ、店を後にした。

早苗を迎えに行った。

どう説明しようか考えていると、助手席の窓をコンコンと叩き、早苗が「お待たせー!」と乗り込んできた。

その顔を見た瞬間、なぜかホッとした。

安心したのだ。

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