34話「不安を抱えたままの朝」

その朝も、いつもの清々しいクラシックの音楽で目が覚めた。

この音楽はいつも、この場所には似つかわしくないと思っていたが、昨日聞いた分類の話が頭から離れない今日は、どこか恨めしく感じられた。

今日は第四回目の公判日だ。

いつものように手錠をかけられ、腰紐を付けられる。

その度に思う。まるで猿回しの猿になった気分だ。

初めの頃は、法廷に入るだけで緊張していた。

だが今は、傍聴席を見渡す余裕すらある。人は慣れるものだ。

公判はいつも通り、淡々と進んだ。

検事は人を悪く言う表現力が実に巧みで、妙に感心してしまう。

傍聴席で聞いている人たちには、私はさぞ極悪人に見えているだろう。

罪を犯したのは事実だが。

弁護士は、いつも通り反論しない。

そして告げられた。

次回、第五回公判は論告求刑。期日は一ヶ月後。

閉廷。

拘置所へ戻る車中で、あの検事は一体何年を求刑してくるのだろうと、ぼんやり考えていた。

房に戻ると、井原君が待っていたという顔をしていた。

事件のことは話している。井原君の予想は求刑二年。陣さんの予想も同じだった。

私はというと、どのくらいの求刑になるのか見当もつかない。

昨日聞いた分類の話と、これから告げられる求刑の年数。その二つが頭の中でぐるぐると回っていた。

そのとき、「やかん用意!」という声が響いた。昼食の時間だ。

食事の準備をしながら、ふと思う。

もしかしたら、この声をあと何百回、何千回と聞くことになるのかもしれない。

そう考えると、どっと気持ちが沈んだ。

それでも、いつもと変わらない日常が流れていく。

時間だけは、何事もないかのように静かに過ぎていった。

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