18話「巡る季節の中で」

忘年会が終わった翌日、拘置所はいつもと変わらない、寒々とした朝を迎えた。

それでも、昨日のことを思い出すと、人のあたたかさに触れたような気がした。

そのまま変わりない日々が続き、気づけば年の瀬も押し迫っていた。

やがて御用納めの日が来た。官庁が年末年始の休みに入るため、それに合わせて運動や入浴、面会などもできなくなり、房の中で缶詰状態になる。

正月を前にして、お菓子やフルーツがたくさん配られた。

お菓子は社会では見かけたことのないメーカーのものばかりだったが、量はかなりあった。

見たことのないメーカーでも、とてもありがたく、嬉しかった。

バナナやみかんもたくさんあり、年明け三日までに分けて食べるらしい。

私が喜んでいると、組員の人が

「正月はお節も雑煮も出るぞ。しかも三が日は銀シャリだ」

と教えてくれた。

白ごはんまで出るのかと驚いた。

こんな場所にいても、季節はちゃんと巡ってくるのだと思った。

社会で迎える年末年始は、友達と遊び回り、飲み屋で年を越すのが、ここ何年かの通例になっていた。

そんなことを考えると、胸の奥が少しざわついた。

こうして私は、初めて社会から隔離された拘置所で、お正月を迎えようとしていた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました