忘年会が終わった翌日、拘置所はいつもと変わらない、寒々とした朝を迎えた。
それでも、昨日のことを思い出すと、人のあたたかさに触れたような気がした。
そのまま変わりない日々が続き、気づけば年の瀬も押し迫っていた。
やがて御用納めの日が来た。官庁が年末年始の休みに入るため、それに合わせて運動や入浴、面会などもできなくなり、房の中で缶詰状態になる。
正月を前にして、お菓子やフルーツがたくさん配られた。
お菓子は社会では見かけたことのないメーカーのものばかりだったが、量はかなりあった。
見たことのないメーカーでも、とてもありがたく、嬉しかった。
バナナやみかんもたくさんあり、年明け三日までに分けて食べるらしい。
私が喜んでいると、組員の人が
「正月はお節も雑煮も出るぞ。しかも三が日は銀シャリだ」
と教えてくれた。
白ごはんまで出るのかと驚いた。
こんな場所にいても、季節はちゃんと巡ってくるのだと思った。
社会で迎える年末年始は、友達と遊び回り、飲み屋で年を越すのが、ここ何年かの通例になっていた。
そんなことを考えると、胸の奥が少しざわついた。
こうして私は、初めて社会から隔離された拘置所で、お正月を迎えようとしていた。

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