ただひたすら座る。
楽なように思えるが、一日中座って過ごすというのは、なかなかの苦痛だった。
自由に動けないから、身体をあたためることも出来ない。
使い込まれ、少しささくれだった畳。その上に、座布団とは言えないような薄っぺらい座布団もどきに座り、一日を過ごす。
ただ、今は一人ではないという事が救いだった。
分からない事だらけだったので、色々と教えてもらった。
担当さんに用事がある時は、声を出して呼んではいけない。
報知器というものを押し、ただひたすら正座して待つ。
運動は週に三回、入浴は週に二回など、細かい決まりも説明された。
午前中に私物の使用が許可された。
ようやく、ユルユルの下着などから解放される。
すぐに私物を使えないのは、洋服などに何か隠して持ち込んでいないかを調べるためだそうだ。
拘置所には時計がない。
時間はすべて合図で分かる。
起床の合図だからこのくらいの時間、午睡の合図だからこのくらい、という具合に、だいたいの感覚を覚えていく。
窓には目隠しがしてあり、外の様子はまったく見えない。
天気も分からない。
留置場のような馴れ合いはなく、犯罪者と刑務官の間には、はっきりと線が引かれている。
刑務官の接し方に、職業や年齢は関係ないようだった。
とにかく拘置所は、時間との戦いだ。
有り余った時間を、どう過ごし、どう消化していくか。
それが、これからの課題だった。

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